本記事は2021年4月に書いた没記事をリファインしたものです
特に搭載されている部品に関して、最新のロットでは参考にならない可能性が高いですので、その点ご了承ください。
某中堅メーカーのNVMe SSDを購入した
当然ながらデータエラーは無し
このメーカーおなじみの、コンポーネント隠し用"保温"シールを剥がしてパーツチェックすることにする。せめて金属製であれば放熱効果が期待できるが、思い切り紙素材なのであえてこう呼称した。このように部品仕様を非公開にして変えられるようにする、後期ロットでこっそり遅いチップに変えるなんてのは、いくら安くしたいからとはいえトラブルの原因になるので本当にやめてほしい。基本的に大手は型番変更で告知してくれるようだが、それ以外の会社はサイレントでいろいろ差し替えて(そして馬の骨フラッシュをぶちこんで)くるので困る。
なんとキオクシア純正フラッシュ(まだ刻印が東芝)
コントローラはSM2263XT
さてこちらのMP33は、キオクシア製フラッシュにコントローラは中華でよく採用されていたSM2263XTと、当時の廉価SSDとしてはやや珍しい組み合わせであった。1800/4=450なので、533MT/s出るBiCS3や4あたりでも十分使えるスペックではあるので不思議ではない。
慎重にシールを剥がしたあとでしばらく考えたが、コンポーネント非公開なトコのSSDを後生大事に使う予定はないのでもう裸になってもらう。
裸だったら何が悪い
格安系にしては珍しく、馬の骨でないキオクシア純正フラッシュが搭載されているのは壮観である。しかし、よくよく見てみるとまず、一番コントローラ側にあるフラッシュには謎の汚れがついており、卓上調味料をすべて倒してしまった。このような工業製品には不釣り合いな、油性ペンのような黄色のインクが付着しており、手作業でリワークされたもの、リサイクルメモリなどを想起してあまり気分的にいいものではない。ちゃんとそこそこのブランドのものを"新品"で購入しているのでなおさらである。
謎の汚れ
さらに細かく見てみると、各チップの型番は同一でもロット?生産週?表記がバラバラであることがわかる。
基板反対端のチップはXJ6549~19239AEだが
通常はこうした実装部品は、メーカーからロット単位で数万個などまとめて買いつけるためロット単位で大量に納入される。違うロットが混ざるほうが不自然だ。
さらにDRAM,フラッシュメモリ問わずメモリというのは案外アナログな製品であり、週ごとにメーカー品質基準をギリギリクリアできるロット、余裕でクリアできるロットなど品質のばらつきは我々が想像する以上だという。RAMを買うときは同じロット、せめてメーカーくらいは揃えろと言われるのはそのせいである。
なので、このように明らかにロットが違うフラッシュメモリが混載されている例なんてのは中華以外では見たことがない。リサイクルメモリやリワークでもない限りはあり得ないはずなのだが……