このブログを検索

2020年8月19日水曜日

グリーンハウス GH-SSDR2SA でハズレを引いてしまった話

つい先日の7月21日、パソコンショップアークさん通販でGreenHouse社のSSD GH-SSDR2SA960を購入しました。

このSSDはスペックとしてはいたって平凡で、公称はTLCNAND搭載 PHISONコントローラーというだけの「PHISONリファレンス系」(台湾PHISON社のリファレンス製品にラベル貼っただけ。)格安製品です。こちらはCFDのCG3Vシリーズとは違ってNANDフラッシュメモリが東芝系なのか、Micron系なのか、Hynix系なのかすら分からないおみくじ仕様ですが、その代わり一回り安いです。



外観


本体はすべて樹脂製で、ネジ部分に金メッキが施された部品が取り付けられています。
表面には、GreenHouseのシール、裏面にはシリアル番号が記載されているだけの非常にシンプルな構造。
ちなみに外見をCG3Vと比較するとこんな感じ。


元が同じなので、当然ながらそっくり。

ベンチマーク


おそらくPHISON S11Tコントローラー採用。CG3VXとかと同じく、圧縮が有効になってるようで0fillにするとベンチマーク番長になります。
CrystalDiskMark上ではSLCキャッシュ領域の速度が計測されたりして、正直あてにならないので実際にデカいデータを流し込んでみます。
しかし、予想に反してSteamやらの250GBくらいあるフォルダは400MB/sくらいでスルスルと書き込まれていきました。問題はSteamを流し込んだ後にビデオフォルダもぶち込もうとしたとき


てっきり並列書き込みで高速なのかと思えば、そうではない様子。SLCキャッシュがやたら広大なだけだったようです。
PHISON S11はDRAMレスかつ2chなコントローラーですが、(キオクシアのBiCS3 TLCでも50MB/sは出るはずなので)いくらなんでも25MB/sは遅すぎます。分解したいところですが、サポートが受けられなくなってしまいますから、phison flashIDで搭載されているチップのダイを確かめてみます。


やはりコントローラはS11と出ましたが、NANDはなんとカタログスペックとは異なり、Intel系 QLCと判定されました。前述のキャッシュ外での異様な低速に加えてアークさんに相談したところ、ありがたいことに東芝系の3DTLCと判定された別ロットに交換対応していただけました。こちらはSLCキャッシュこそ数十GBと小さいものの、キャッシュ外速度も100MB/sほどで推移するためTLCである可能性が高そうです。

なお本件をうけ、念のためですがGreenHouse様に調査をお願いしたところ、次の回答をいただきました。



過去のロットの一部にQLCのものが混在していたことが確認されたとのことでした。もしも過去にGH-SSDR2SAシリーズを購入された方は今一度確認して、場合によっては交換対応を申し出たほうが良いかもしれません。また、今後においても「PHISONリファレンス系」において、品質管理に懸念材料があることに注意する必要があるかもしれません。

PHISONならニセIntel 3DNANDやらの心配が少ないでしょうが、品質が良いかといえばそうはいかないようです。安物SSDには必ずワケがあります。気を付けましょう。




ちなみにですが、怖い人向けサイトのusbdev.ruにPHISON S11T系SSDは使用されるNANDごとに対応するファームウェアが決まっているとの記述があり、それによるとファームウェア名、SBFMの後が
東芝(現 キオクシア)BiCS TLC…6x.x
マイクロンTLC 96層…Jx.x
マイクロンQLC 64層…KA.x
HynixTLC 72層…Ex.x
Intel QLC…Kx.x
(xは任意の数字が入る)
であるとされています。
この件で交換前のQLC?製品はファームウェア名が"SBFMK1.3"、交換後のTLC?は"SBFM61.3"だったので、それなりに信頼できそうです。もし参考になればいいなと思います。

2020/10/19 ちょい配置と表現を修正
2021/09/08 いまだに結構アクセス数があるのでPHISON SSDのファームウェアに関して追加