このブログを検索

2020年9月23日水曜日

2020年版 コンシューマー向け PCIe4.0 SSD コントローラー一覧

ここにきて急にPCIe 4.0対応SSDがたくさん発表されたのでちょっと整頓

カタログスペックは組み合わせるフラッシュメモリーや測定環境、サプライヤのチューニングによって変化する可能性があるのであくまでも参考値だ。

PHISON

PCIe4 SSDのパイオニア。バカみたいに熱くて電気を食うので管理人は嫌っている。各種数値は公式サイト掲載のデータシートより抜粋した。
PS5016-E16 読込5000MB/s 書込4400MB/s Gen4x4 読込6.7W/書込6.6W(2TBモデル) NANDとの接続チャネル:8チャネル
採用製品はCorsair MP600やCFD販売 PG3VNFなど(転送速度が5GB/sと特徴的なので分かりやすい)。どうやら価格的理由から、TLCはキオクシアのダイを採用した製品ばかりのようだ。MicronのQLCを使った製品も登場している。

PS5018-E18 読込7000MB/s 書込7000MB/s Gen4x4 平均3.0W NANDとの接続チャネル:8チャネル
採用製品はCFD PG4VNZやPG4NZL、Sabrenrt Rocket 4 Plusなど。NANDの転送速度が1200MT/s出る必要があるようで、現状はMicron製のB27B(96layer)ダイか、B47R(176layerダイ)を採用する製品がほとんどである。例外として、E18カスタムコントローラーを採用するEXCERIA PROではキオクシアBiCS5と組み合わされている。

PS5019-E19T 読込3600MB/s 書込3000MB/s Gen4x4 平均4.7W NANDとの接続チャネル:4チャネル DRAMレス
エントリークラス。WDのSN750 SEが採用している。Xbox Seriesのストレージ拡張カードもコレらしい。
ちなみにエルミタ秋葉によるインタビュー時の目標性能よりは読み込み性能が低くなっている。

SiliconMotion

PHISONに並ぶ実力者。
SM2264 読込7000MB/s/書込6000MB/s Gen4x4 NANDとの接続チャネル:8チャネル
データシートは未公表だが、PC Watchの記事によればCES 2020のADATAブースでこのコントローラーを用いた開発機が展示されていたことから、ADATAのSX8200 Pro後継機として登場が期待される。まだ出ないんだけど…

SM2267 読込3750MB/s 書込3750MB/s Gen4x4 NANDとの接続チャネル:4チャネル
エントリークラスモデル。採用製品は現時点でADATA XPG GAMMIX S50 Lite、Transcend MT240Sなど。

SM2267XT 読込3750MB/s 書込3750MB/s Gen4x4 NANDとの接続チャネル:4チャネル DRAMレス,HMB対応
採用製品は今のところ不明である。

Samsung

安定のSamsung自社コントローラー。
Samsung Elpis 読込7000MB/s 書込5000MB/s Gen4x4 平均6.2W,バースト時8.9W(1TBモデル)
採用製品は現時点でSamsung SSD 980 Proと970 EVO Plus(新パッケージ)。8nmプロセス(10nm++?)で製造される。もちろん970 EVO PlusはGen4を無効化されている。

WesternDigital

クリエイター向けチューニングの自社製コントローラー。
WD_BLACK G2 読込7000MB/s 書込5300MB/s Gen4x4
WD Black SN850に搭載されたコントローラー。おそらく自社開発で今回第二世代目になる。(だからG2?) 980Proをやや上回る高性能だが、ちょっと熱め。

Marvell

データセンター向け、コンシューマー向けの両方で古株な実績のあるメーカー。今回は性能に振らず、いずれも正確な値は未公表だが低消費電力、小実装面積を謳っているようだ。
88SS1321 読込3900MB/s 書込3300MB/s Gen4x4 NANDとの接続チャネル:4チャネル
コンシューマー/データセンター向けとしている。採用製品は今のところ未発表。

88SS1322 読込3900MB/s 書込3300MB/s Gen4x4 NANDとの接続チャネル:4チャネル DRAMレス,HMB対応
コンシューマー向け。採用製品は今のところ未発表。

88SS1323 読込3500MB/s 書込3000MB/s Gen4x2 NANDとの接続チャネル:4チャネル DRAMレス,HMB対応
エントリークラスだが、PCIe4.0を活用してハイエンドPCIe3.0と同じ速度を半分の帯域で実現。採用製品は今のところ未発表。

InnoGrit

新参メーカー。PC Watchによると元Marvell最高技術責任者が独立して立ち上げた企業とのこと。
Rainier(IG5236) 読込7000MB/s 書込6000MB/s(予定) Gen4x4 NANDとの接続チャネル:8チャネル
ADATA GAMMIX S70、Plextor M10P、Lexar NM800、Patriot VP4300に採用されている。比較的廉価なようで、こちらも1200MT/sのフラッシュメモリと組み合わせることで読み込み7GB/sの速度を実現している。ただ、新興メーカーゆえにファームウェアが不安定な可能性があるため、チャレンジ精神の旺盛な人にだけオススメである。

なお、余談ではあるが先日ADATA SX8200 Proの1TBモデルを購入したところ、NANDフラッシュのダイがMicron B27Bに変更されていた。これはMicron 96layerのフラッシュメモリでも、B27Aより性能向上が図られた改良モデルで、しかも今年から出荷開始された新製品のようだ。うれしい誤算である。
tomshardwareによると、sx8200proはおみくじ度合が増して5種類のバリエーションが確認されるカオスになっているとのこと。少なくともコントローラがダウングレードされている模様なので買わないほうが吉。

2020/10-28 wdを追加。盛り上がってきた。
2021/10-03 いろいろ更新